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メンタルヘルス

ジャーナリング入門|エンジニアが気持ちを書くことの効能

by Leon

コードを書く時間と、自分の気持ちを書く時間。エンジニアが日常で割いている量を比べると、後者は圧倒的に少ない。バグを言語化することには長けているのに、自分の感情を言語化することには、ほぼ時間を使っていない。

この記事では「ジャーナリング」と呼ばれる、自分の気持ちを書き出すシンプルな習慣について書く。エンジニアにこそ効くと考えている理由と、実際にどうやるかを整理する。

エンジニアは感情から離れる構造の中にいる

仕事の構造を考えると分かりやすい。エンジニアの一日は、ほとんどが論理処理と問題解決で埋まっている。設計を考え、コードを書き、レビューを返し、エラーログを読む。すべて「事実 → 原因 → 対処」という思考フローだ。

この思考は仕事のパフォーマンスを上げるが、感情を扱う時間を持たない、という副作用がある。

体調不良の前兆として、エンジニアによく現れるのが「なんとなくイライラする」「理由は分からないが疲れる」という感覚だ。原因が分からないのは、原因を見ようとしていないからだ。論理思考に脳のリソースを全振りしていると、感情が言語化されないまま蓄積する。

蓄積した感情は、ある日突然身体に出る。微熱、動悸、不眠、蕁麻疹。自分自身、テックリードをしていた時期に1ヶ月続く微熱を経験した。今振り返ると、感情を言語化していなかったツケだった気がしている。

ジャーナリングが効くメカニズム

ジャーナリングは、感情を「書く」という形で言語化する習慣だ。日記とは少し違う。出来事を記録するのではなく、その時の気持ちや反応を中心に書く。

このシンプルな習慣には、複数の研究で裏付けられた効果がある。

最も有名なのが、テキサス大学のジェームス・ペンネベイカー(James Pennebaker)が1980年代から続けている「表現的筆記(Expressive Writing)」の研究だ。1日15〜20分、3〜4日間、自分が抱えているストレスや感情について書くだけで、抑うつ症状の軽減、免疫機能の改善、睡眠の質の向上といった効果が確認されている。

2005年にBaikieとWilhelmが発表したレビュー論文「Emotional and physical health benefits of expressive writing」では、それまでの研究を整理した上で、表現的筆記が以下のような効果を持つことが報告されている。

  • 抑うつ、不安、PTSD症状の軽減
  • 血圧の低下
  • 免疫機能の改善
  • 睡眠の質の向上
  • ワーキングメモリの向上

さらに、UCLAのリーバーマンら(Lieberman et al., 2007)の研究では、感情を言葉にする「affect labeling」によって、脳の扁桃体(不安や恐怖を司る部位)の活動が低下することがfMRIで確認されている。

つまり、「気持ちを書く」という行為は、脳のレベルで感情の過剰反応を抑える機能を持っている。

エンジニアのためのジャーナリング入門

「書け」と言われると身構えてしまうが、実際は3分あればできる。エンジニアに合うフォーマットを紹介する。

最低限書くべきこと

  • 今日あったこと(1〜2行)
  • その時に感じたこと(1〜2行)
  • 体の感覚(疲労・緊張・胃痛など、もしあれば)

例:「進捗会議で詰められた。胃が痛くなった。終わった後ずっとモヤモヤしていた。」

これだけでいい。文章としての完成度はいらない。きれいに書こうとした瞬間に続かなくなる。

書くタイミング

寝る前30分が定番だが、エンジニアならむしろ「気持ちが動いた時」に書く方がいい。レビューで指摘された直後、会議の後、リリース失敗の後など、感情のピークから5分以内に書くと、言語化の精度が上がる。

ツール

  • 紙のノート:書くと考えが整理されやすいが、検索性は低い
  • スマホメモアプリ:手軽、ただし通知に邪魔される
  • 専用アプリ・サービス:感情の傾向を可視化できる

最後の「専用サービス」が、cotreeのような選択肢になる。

cotreeの感情日記でジャーナリングする

cotreeには、会員登録すると無料で使える「ダイアリー(感情日記)」という機能がある。

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これが良いのは、書くハードルがとにかく低いことだ。

毎日アイコンで今日の気分を選ぶ。「ふつう」「イライラ」「憂うつ」「嬉しい」など。気分を選ぶと、その日の出来事や思ったことを短く書く入力欄が出る。長く書く必要はない。3行で終わってもいい。

実際の画面では、こんな感じで日々の気分の流れが残っていく。

6/19(金)ふつう

6/20(土)憂うつ

6/21(日)憂うつ

6/22(月)イライラ

6/23(火)ふつう

数週間続けると、自分の気分のパターンが見えてくる。「週末も働いた週は月曜にイライラしている」「リリース後は憂うつになりやすい」など、自分の感情のクセが可視化される。

これは「自己観察ツール」として、思っているより強力だ。エンジニアは数値や傾向で物事を判断するのが得意な職業なので、感情をパターンとして見せられると素直に納得できる。

さらにcotreeでは、無料の感情日記を使いながら、必要になったタイミングで担当カウンセラーへの相談に切り替えることもできる。書き溜めた感情日記を共有しながらカウンセリングを受ける、という連動的な使い方も可能だ。

まとめ

エンジニアは論理思考に偏りやすい職業だが、その代償として、感情を言語化しないまま蓄積させてしまう構造を持つ。

ジャーナリングは、その構造的な問題を低コストで補完する習慣だ。研究でも効果が確認されていて、しかも1日3分でできる。身体に何か出てから動くより、出る前に習慣として持っておく方が、はるかにコストが小さい。

心がモヤモヤした時にすぐ試せるのが、自分の感情を書き出すジャーナリングだ。cotreeでは、感情日記(無料)でその日の気持ちを記録しながら、必要なときはオンラインでカウンセリング相談もできる。まずは無料で会員登録してみてほしい。

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なお、強い体調不良や精神症状がある場合は、心療内科や精神科の受診を優先してほしい。ジャーナリングや感情日記は医療の代わりではなく、医療と並行して使える整理ツールとして位置づけるのが現実的だ。また、cotreeでカウンセリングをすると、臨床心理士から病院受診を勧められることもある。